日本にいたときはよく「ベルギー語って、何語?」と聞かれてました。確かにねぇ‥ベルギーっていう国があるくらいなんだからベルギー語があって当然、と日本に住む私達は考えますよ、そりゃ。私だってベルギー人と知り合うまではベルギー語あると思ってたもん。
ベルギーは北部がオランダ語のベルギー版みたいなフラマン語、南西部がフランス語、南東部の一部地域がドイツ語、という特殊な環境です。そして首都ブリュッセルはヨーロッパ政府があるのでヨーロッパ中からいろんな国の人がやってくるため、英語かフランス語が主流と。。カオスやで。。
ベルギーに来て一番困ったのがこの言語の問題。
もともとフランスに3年くらいいた私は、ベルギーもフランス語が主流ということは知ってたから、生活も就活も結構楽観視してたんですよ。すでに現地の言葉喋れるしーってな具合で。でも甘かった。。求人の殆どが「フランス語とオランダ語のバイリンガル」が必須条件。。英語じゃないのかよ。。
ここからは私個人の意見なので偏見や思い込みが入ってますが、
オランダ語圏とフランス語圏の仲が悪いんすよ、ベルギー。いや、個人レベルでの付き合いで見ると、全然仲良し(仕事場で2つの地域の人が混ざることがほとんどですし)なんですが、こう、地方政府レベルの視点で見ると本当に仲が悪い‥ 同じブリュッセルのバスでもオランダ語圏の運営するバス会社で使えるICカードがフランス語圏の運営するバス会社では使えなかったり。スイカで電車もバスも乗れるようになる前の日本の公共交通機関みたいなかんじかな。。ほら、電車の路線変わるたびに切符買い直す的な。でもそれが会社レベルじゃなくて言語圏レベルというのがベルギーの特徴で。
オランダ語圏とフランス語圏の境目の道路が断絶されたり。国内でですよ‥!?どんだけ仲悪いねん!
ただでさえ国土面積の小さいベルギー、アパート探しの選択肢は当然フランスより少ないのですが、ベルギーではさらに「オランダ語圏かフランス語圏か」という選択肢が加わります。オランダ語喋れないのにオランダ語圏にアパート借りれない、なぜなら近所のスーパーで言葉通じない&行政機関も言葉通じないなどの弊害があるため。。
ここまて読んで「でもそんな環境なんなら、ベルギー人はみんなどっちの言語も学校で勉強してバイリンガルなんじゃないの?」とお思いになった方、そう、半分は当たりです。
どういうことかというと、オランダ語圏のベルギー人はほぼ全員フランス語も喋れるバイリンガルです。なぜかって、フランス語喋れればベルギー中どこでも職が見つかるし、なんなら隣のデカイ経済圏フランスでも仕事がみつかる、なんならカナダのケベックでも暮らせる、など、メリットが多いのです。
一方、フランス語圏のベルギー人は、オランダ語学習をそこまで熱心にしません、なぜならオランダ語習得したところで、彼らにとってメリットがそこまでない(と、彼らはおもっている)からです。オランダ語やるくらいなら英語やりたいよと。
結果、オランダ語圏ベルギー人だけが苦労してフランス語圏の奴らに合わせなきゃいけない、という負の感情が生まれ、その腹いせにことあるごとにオランダ語圏ベルギー側がフランス語圏ベルギー側に対して冷たい態度をとる、と。オランダ語圏ベルギーではフランス語は通じても敢えてオランダ語でしか返事されない、みたいな話も。
さらに、昔は石炭採掘で栄えたフランス語圏ですが、石炭の衰退、そしてフランス語圏のベルギー人はオランダ語喋れないからオランダ語圏で仕事みつからないしで、フランス語圏ベルギーの経済力かガタ落ち。北部のオランダ語圏の人たちからはフランス語圏ベルギーは経済的にお荷物としてみなされるという構図も。
なかなか根深いこの問題。。
この問題があるから、ベルギーで仕事見つけようとするとほとんどの場合「フランス語オランダ語のバイリンガル」が募集要項の必須項目に入ってくるんですね‥
当然、日本からやってきた私はオランダ語なんてやったことないし基礎すらない、それだけでもう就職先の選択肢がかなり狭くなる‥というわけです。
めちゃくちゃグローバルな会社なら英語でいけるんですが。。そうなるとどうしてもブリュッセルだし大手でエリートしか入れないような企業になってきてこれまた門が狭まるという。。
私はなんとかフランス語圏でまずは内職みたいなバイトを始めはしましたが、そこでもやっぱりオランダ語スキルはないよりはあったほうが断然いい、と実感する毎日です。。
オランダ語始めるかぁ‥31歳にして新たな言語を始める、いや、遅くないはず‥!
0コメント